追記:高度経済成長と財政再建の一般理論の構想

 


  私の別記事で紹介していますが、「債務の1%が帳消しになる無金利後払い決済」を、行政が債務1%分と金利相当分を負担する形で、決済額が200兆円程度になるまで提供すれば、必要な財政コストは6~10兆円で、ほぼ必ず経済成長と財政再建が果たせます。この記事はその補足です。

 

 

 

 

 

 

 


  1.インフレを抑えつつ、通常の金融の利用の活用をなるべく増やす方策≒債務1%帳消しの無金利後払い決済に通常の金融の利用が食われる分をなるべく抑える方策

 


  企業からすれば、将来どんな投資が必要かわからないわけで、利用希望をして、早期に実際の利用ができる必要があります。

例えば、一日あたりの無金利化・債務の1%帳消しの対象総額を何兆円と決め、その範囲内で、企業の投資を無金利化・債務の1%帳消しをランダムに行うなら、企業にとっては合理的ですが、応募の機会が一年中続くので、民間金融を圧迫してしまいます。

 


なので結局、「あなたの会社にはいくらまで貸せますよ」と内容は未確定な形で確約し、応募を締め切る形かなと思います。景気さえ浮揚すれば平均利益が増えるので焦げつきにくく、問題ないかと思います。ただここは様々な意見を聞きたいですね。

 

 

 

  2.追記:制度運用の基本モデル

 


  制度に参加する金融事業者が加入する連絡プラットフォームを作り、「後払い決済を提供するたびに、必ず、その額等を各社に登録させる」なら、総額の管理をしやすいです。それをしていなかった場合、行政からの給付が無い形にすれば良いと思います。この制度でアプリを使うのは管理の容易さ、借りたのに実際は使わない事例を防げるなどのメリットがあるからです。

 

 

 

 


3.債務の1%帳消しの理由

 


企業は、単なる無金利融資や、利子補填等での超低金利でも、需要さえ強ければ借入をすると思います。なので実際は、債務(決済額)の1%帳消しは無くても構いません。

どちらかというと、これは需給ギャップを埋めるために、消費者サイドに後払い決済を提供する場合を念頭にしたものです。つまり、民間人からすれば、ただの無金利ではメリットを感じない人も多いと思われるので。

 


こちらの場合でも、消費と投資を増やせばマイルドインフレになるはずで、その場合は、債務の帳消しは必要ありません。インフレだと実質的に債務が減るので、無金利化、もしくは通常の低金利政策のみで目標額の消費や投資は発生できると思います。

 


ですから、債務帳消しは「不況や成長鈍化の際に景気を手早くふかしたい時」に限定されると思います。つまり、必要な財政支出はさらに抑制できます。

 

 

 

4.その他予想される懸念への解答など

 


  銀行からしても、無金利で債務が1%帳消しになる決済を提供している期間は、そちらに案件を食われるものの、長期的には家を買うとか車を買うとか、投資関係で利益を得るとか、好景気になれば結局利益は増えていくわけです。

 


民間事業者に後払い決済に参入させた場合、少しずつ、人気アプリは定まってくるわけで、そこにデータが集中します。そして、データとユーザーを多く抱えた企業が優位性を確保します。最初は海千山千になるでしょうが、そうした事態は、通常の市場競争と同じように解消されます。

 

 

 

 


  5.補足など

 


マネーサプライは増えますが、消費や投資増加の結果のマネーサプライ増加なので円高要因です。財政やGDPなどのファンダメンタルズも大幅に改善されるので、通貨暴落等の懸念はおそらくありませんし、それは「経済成長したら通貨が暴落する」みたいな意見でナンセンスです。

 


この仕組みでは名目成長は容易です。なので、インフレや供給不足に気をつけるということです。対象は主に企業の投資なので、後者の懸念は少ないので。既存の経済理論とは多少違います。

 


この制度をどこまで、どの程度活用するかは様々な意見があると思います。

つまり、例えば需要が弱ければそれを埋め、成長が鈍化したら制度を開始する、消極的な仕組みでも良いと思います。その方が毎年やるよりもインフレを抑えやすいですし。それでも結局、平均5%~程度の名目成長は可能だと思います。

 

 

 

制度を運用している時期の通常の民間金融での貸し出し減少(クラウディングアウト)のデメリットを防ぐ簡単な方法は、要は制度の提供総額を増やせば良いわけです。得られる税収とGDPの伸びが大きくなるので、採算が取れます。ただ、景気さえ浮揚させれば通常の金融での借入も増えると思われるので、特に心配は無いとは思っています。

 


所々稚拙だとは思うんですが、「このアイデアが日本の経済成長と財政再建を実現する低コストで確実性が高い方法である」点は間違いないと思います。

 


今色々並行してやっていますが、もう少しわかりやすく詳しい資料も作ってます。